不機嫌なお姫様
第1巻 | TV第2話、第3話、第4話、第5話 |
第2巻 | TV第7話、第8話、第12話、オリジナルストーリー |
第3巻 | オリジナルストーリー |
第4巻 | オリジナルストーリー、TV第13話、オリジナルストーリー |
第5巻 | TV第19話、第21話、第23話(星のパラソル) |
第6巻 | TV第23話(星のパラソル)、ロンググッバイ(回想シーンに永遠のワンスモア) |
第7巻 | ロンググッバイ完結 |
今回の考察で、不機嫌なお姫様を大きく3部に分けてみました。
第1部は第1巻〜2巻、テレビでいう第12話まで。
第2部は第2巻途中からのオリジナルストーリー(+第13話)
そして第3部は再びテレビシリーズ第19話に戻って、そこからロンググッバイ完結まで。
第1部 看板スター綾瀬めぐみの舞台裏
めぐみさんの日常
すでにパルテノンプロの看板スターという地位にありながら人知れず努力しているシーンがあったりします
パルテノンプロの新人モブ歌手が出てきたりしますが、こんな子なんか眼中に無いと。
この時のめぐみさんの表情いいですね。
意地悪キャラの貫禄があります。
すごい余裕かましてます。
しかし1話の最後に出てきたのが本編の主人公のクリィミーマミ。
ここから綾瀬めぐみの物語が始まるのです。
マミの登場に焦るめぐみさん
しかし第2話から第12話、目線こそめぐみさんだけど、ほとんどがアニメの話をそのままなぞっただけというストーリー。
第5話の檻に閉じ込める話とか
第8話の台本無視のムチャ振りとか
ほぼそのままテレビ本編をなぞっただけ。
新人(マミ)が入ってきて焦る先輩歌手(めぐみ)の心理状況も一応描いてはいるものの、決して掘り下げているとは言えない。
期待の新人歌手もといオリジナルキャラ園田まち子も完全にモブ化している。つうか消えて出てこないぞ。
ハッキリ言おう。
全然おもしろくない
スピンオフや外伝というのは、実はほとんど新作みたいなもんなんですよ。
ところどころでオジリジナルにあったシーンを登場させたりして、読者に
「あ、これが本編のあのシーンに繋がるのか!」
というように、
本編が伏線になってるという逆転現象がいいんです
ほんとはただの後付けなんだけどね笑
第1部の「こんなストーリーが欲しかった」
例えば私だったら、なぜ「パルテノンプロの看板スター」というセリフが生まれたのかという話を書きます。
まだ新人時代のめぐみさんが、先輩ベテラン歌手のいじめを受けます。
普通だったら衣装破いたりとかシューズを隠したりとか。
でもめぐみさんへの究極の嫌がらせは、なんと他の歌手によって
めぐみさんが生放送の出番に間に合わないように檻に閉じ込められる
のです。
そしてその絶体絶命のめぐみさんを、テレビ局でバイトをしている怪獣スーツアクターのお兄さんが助けるのです。
こうしてピンチを脱した新人歌手のめぐみさんは生放送で
「今日からパルテノンプロの看板を背負っていきます!私がパルテノンプロの看板スターです!」
と宣言。
めでたしめでたしと言った話にしますね。
もちろんこの話は後の本編の第5話「あぶない!?マミの秘密」につながるわけです。
小学生を檻に閉じ込めて監禁するなんて普通に考えてあり得ないじゃないですか!?
でもめぐみさんにもそういう過去があったのなら……まあ有りかもね、と。
後付けだけど笑
どうです?おもしろくない?
第2部 看板スター綾瀬めぐみ誕生まで
オーディション前夜
そして2部からは完全オリジナルストーリー。
綾瀬めぐみがデビューするまでの話になります。
新人オーディションの直前、ステージに立つことが怖くて控室の隅で泣いていためぐみさん。
そこで偶然出会ったパルテノンプロの次期社長(当時)立花慎吾。
この言葉によって覚悟を決めてステージに立つのです。
イイねイイねイイねイイね
まるで安西先生じゃないかw
こうして立花さんに声をかけられ、勇気を出してステージに立っためぐみさん。
このまだ垢抜けない綾瀬めぐみを見た立花慎吾は心を打たれる。
立花慎吾「原石だ」
デビューに向けて
オーディションには落ちましたが、この垢抜けない少女を「原石」と呼び、立花慎吾がスカウトします。
こうして二人三脚が始まり、芸能界の荒波に揉まれながらスターになっていくのです。
そして原石は磨かれ、たった数ヶ月でダイヤモンドとなって光り輝いていくわけであります。
そしてデビュー
綾瀬めぐみは、テレビの視聴者たちに本編クリィミーマミのデビューにも匹敵するインパクトを与えて。
第1部は全然おもしろくないなんて書いてしまいましたが、オリジナルストーリーの第二部は面白くなってきました。
第2部の「こんなストーリーが欲しかった」
でもどうせならやっぱりもっとこういうストーリー入れて欲しかった!
たとえばデビュー前のオーディションシーン。
さらっと流しておーでょション番組の司会者が描かれてないんですね。
ここはやっぱり本編42話「ママの思い出ステージ」に出てくる司会者の久保さんをさりげなく出しておくとかしたらよかったのに。
他にはたとえば芸能界の汚いドロドロしたパワハラの話。
芸能界、いや女同士にありがちないじめの洗礼を受けためぐみさん。
そんなめぐみさんを励ましてくれたのが、元ヤンキー今はアイドルという先輩タレント。
先輩「ヤンキーだったころの先輩にアイドルになりたかったって人がいてね。でも今のあんたみたいに気が弱くてオドオドしてて。
諦めてなぜかうちらのチーム(暴走族)に入ったんだよ。でもある日チーム内でいい人と出会ってね。
それから人が変わったように強くなっていって、気がつきゃチームのリーダーさ。
女は愛する人を見つけてその人のことを考えると強くなるんだよ」
めぐみ「その人はそれからどうなったんですか?」
先輩「最後は結婚するって言って二人でチームを引退したよ。風の噂じゃ今はどこかの町でクレープ屋やってるって聞いたけど……」
なんてねw
こういう展開が見てみたかったw
1回だけ同期のアイドル候補の子とこういう会話があったんですけど。
そしてこのあとクレープを食べにいった綾瀬めぐみさんを……
なんで描かない!
ここはぜひぜひ描いて欲しかったです、三月えみ先生ーーー
クレープを食べに行って、まだ魔法を持っていなかった優ちゃんとファーストコンタクト。
そしてめぐみさんがこの付近の空気を感じて
「何かここには不思議な空気がある……そう、立花さんが言ってた"魔法"を使えそうな空気が」
みたいなセリフがあってもよかったのにねえと思ってしまいます。
第3部 看板スター綾瀬めぐみと立花社長が結婚
やっと立花慎吾社長と恋愛成就
そしてここで再び本編と合流します。
スピンオフ作品はどこかで本編と繋がるのがいいんですよ。
この頃になると三月えみ先生も慣れてきたのか(上から目線ですみません💦)めぐみさん視点の展開がこなれてきました。
星のパラソルなんか本編よりずっと良かったです。ほんと。
この頃はまだ「立花さん」「めぐみちゃん」と呼び合う関係だったんですね。
どうせならいつから「慎吾」「めぐみ」に変わったのか描いてくれたら面白かったなあ。
様々な紆余曲折を得て、そして二人は結ばれるのです。
このあと滅茶苦茶セックスした
感動の最終回!
じゃなかったw
そして綾瀬めぐみと立花慎吾結婚へ
綾瀬めぐみ物語のクライマックスは、このあと一気にロンググッバイ編まで飛びます。
本編OVAこの物語の主役は木所さんだ!なんて言われてますが、いやいや、やっぱり主役はめぐみさんですよ。
めぐみさん視点から物語が描かれていて読んでいて楽しい。
本編との大きな違いは、映画の撮影進行とともに、めぐみさんが少しずつマミの正体に気づき出していきます。
かつて控え室で見た不思議な光や、ニセマミ事件のこと。
忘れかけていた記憶がよみがえって、めぐみさんの中で繋がっていく。
そして疑惑はやがて確信へ。
そして映画のラストシーンであり、OVAロンググッバイのクライマックスシーン。
これらの本編ではちょっと夢オチっぽかったセリフが、
実はちゃんともう一つの意味を持っていた
ということになったのです。
不機嫌なお姫様を読み終えて
最初の頃は「おもしろくない」とか「ストーリーなぞっただけ」とか生意気なこと書いてすみません。
あらためて全部通して読むとこれがホント面白い作品です。
特に最後のロンググッバイ編を読むと、もういちどOVAロンググッバイを見たくなりましたよ。
綾瀬めぐみさんはもちろん、クリィミーマミ作品の登場人物全員に愛を感じるすばらしい作品でした。
三月えみ先生、ありがとうございました。